地域優良賃貸住宅

制度創設の背景

 国土交通省は、平成10年度より、民間賃貸住宅を活用し、高齢者の身体機能に対応した設計、設備など高齢者に配慮した良質な賃貸住宅ストックの早急な形成を促進することを目的として、予算制度として「高齢者向け優良賃貸住宅制度」を実施し、平成13年度には、当該制度を「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」(平成13年法律第26号)に基づく制度として位置付けてきました。平成17年度に「地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備に関する特別措置法(地域住宅特措法)」が制定され、高齢者向け優良賃貸住宅に係る助成金は、同法に基づく交付金として扱うこととなりました。その後、平成19年度には地域優良賃貸住宅制度が創設され、高齢者向け優良賃貸住宅に対する助成は、地域優良賃貸住宅として実施することとなりました。
 平成23年度には「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」改正により、高齢者向け優良賃貸住宅制度は、その他高円賃・高専賃制度とともに、サービス付き高齢者向け住宅制度として一体化されました。これに伴い、地域優良賃貸住宅制度にサービス付き高齢者向け住宅制度が新たに位置づけられております。

地域優良賃貸住宅制度とは

※平成17年度の交付金化に伴い、事業者が補助金を受ける場合の具体的な補助対象部分や補助金額の算出方法等については、各地方公共団体が要綱等を定めて実施するため、詳細につきましては、各地方公共団体に確認することが必要です。

高齢者世帯、障害者世帯、子育て世帯等、各地域における居住の安定に特に配慮が必要な世帯の居住の用に供する、居住環境の良好な賃貸住宅の供給を促進するため、賃貸住宅の整備等に要する費用に対する助成や家賃の減額に対する助成を行う制度です。[地域優良賃貸住宅制度要綱(平成19年3月28日付け国 住備第160号)]

主な認定基準

※ サービス付き高齢者向け住宅等の場合は、(1)(5)(6)の規定は適用されない。

(1) 住宅の基準

戸数

5戸以上(民間建設・公社建設・機構供給型) 1戸以上(上記以外)

規模

1戸当たりの床面積は原則25㎡以上(居間、食堂、台所その他の住宅の部分が共同して利用するため十分な面積を有する場合は18㎡以上とし、地方公共団体が高齢者住まい法第3条の2第1項において規定する高齢者居住安定確保計画で別に規定を定めている場合にあっては、当該規模とすることができる)

構造

耐火構造又は準耐火構造又はこれに準ずる構造、防火上及び避難上支障がないものとして都道府県知事等が認める構造の住宅

設備

原則、各戸が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものであること

(2) 管理の期間

10年以上

(3) 入居者の資格

次のいずれかに該当する者であって、その所得(月額)が48万7千円以下のもの。ただし、機構供給型及びサービス付き高齢者向け住宅等は高齢者世帯に限る。

  • (1) 子育て世帯
  • (2) 高齢者世帯
  • (3) 障害者等世帯
  • (4) 災害等特別な事情があり、入居させることが適当と認められる世帯として、地方公共団体が地域住宅計画等に定めるもの
  • ※ 公営型地域優良賃貸住宅の入居資格は、公営住宅法第23条及び24条に規定する入居者資格を満たすものとする。

(4) 家賃

家賃の額が近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。

(5) 賃貸の条件

  • (1) 入居者の募集方法
    原則として公募
  • (2) 入居者の選定
    入居の申し込みを受理した戸数が募集戸数を超える場合においては、抽選その他公正な方法により入居者を選定しなければならない。

(6) 賃貸条件の制限

賃貸人は、以下に掲げるもの以外には権利金・謝金等の受領を行うことはできない。

  • 毎月その月分の家賃を受領する場合
  • 家賃の3ヶ月分を超えない額の敷金を受領する場合
  • 高齢者の居住の安定確保に関する基本方針(平成21年厚生労働省・国土交通省告示第1号)三に規定する高齢者居宅生活支援サービスの提供の対価として金銭を受領させる場合
  • 終身にわたって受領すべき家賃の全部または一部を前払い金として受領する場合(高齢者住まい法第52条の認可を受けた場合に限る)

助成措置の概要

平成22年度より、地域優良賃貸住宅に係る助成は、社会資本整備総合交付金等により実施されております。

(1) 建設費等に対する助成

事業主体 類型 助成の額
民間事業者等 建設・買取型 全体工事費の1/9(低層の場合)
全体工事費の1/6(中層・高層の場合)
全体工事費の1/5(サービス付き高齢者向け住宅の場合)
※サービス付き高齢者向け住宅に限り、上限200万円/戸
改良型 (※1) 共同施設等整備費等 (※2)の2/3
地方住宅供給公社等 建設・買取型 全体工事費の1/3
改良型(※1) 共同施設等整備費等(※2)の2/3
地方公共団体 建設・買取型 全体工事費
改良型(※1) 共同施設等整備費等(※2)
都市再生機構 新規建設型 全体工事費の1/6
(要請型:地方公共団体も全体工事費の1/6)
改良型 共同施設等整備費等 (※2) の1/2
(要請型:地方公共団体も共同施設等整備費の1/2)

※1: 共同施設整備費等については、①共同施設等整備費、②加齢対応構造等整備費及び③調査設計計画に係る費用のこと。
※2: 改良型については、住宅用途以外の用途を変更して地域優良賃貸住宅とする場合、対象工事費は全体工事費となる。

(2) 家賃の低廉化に要する費用に対する助成

原則(機構型以外) 機構型
対象世帯 a)地域優良賃貸住宅に入居する収入分位40%(月収21.4万円)以下の世帯で、以下のいずれかに該当するもの
高齢者世帯/障害者等世帯/小学校修了前の子供がいる世帯/災害被災者/密集市街地からの立退き者等不良住宅の撤去等により住宅を失った者/入居収入基準の見直しに伴い公営住宅収入超過者となった者(収入基準見直し後一定期間に限る。)

b) 地域優良賃貸住宅に入居する収入分位25%(月収15.8万円)以下の世帯

地域優良賃貸住宅に入居する収入分位40%(21.4万円/月)以下の高齢者世帯
助成額 1世帯当たり4万円/月を上限※とし、地方公共団体が事業主体に対して行う家賃低廉化のための助成に係る費用の概ね45%

【社会資本整備総合交付金】

※ 複数の入居世帯がある場合は、「4万円/戸・月 ×(家賃低廉化対象世帯/入居世帯数)× 管理月数」を上限とする。

機構が行う家賃低廉化のための助成に係る費用(入居者の家賃と入居者負担基準額との差額)の1/2【補助金】
※ 要請型の場合は、機構は当該費用の1/2を限度として地方公共団体に対して負担を求めることができる。
助成期間 a) 1戸あたりの助成期間の限度
管理開始から20年(ただし、高齢者世帯及び障害者世帯等は、地方公共団体の判断で、管理開始から40年以内の期間まで延長可能。)

b) 1世帯あたりの助成期間の限度
6年以内の期間で世帯類型ごとに地方公共団体が定める期間(小学校修了前の子供がいる世帯、災害被災者、密集市街地からの立退き者等不良住宅の撤去等により住宅を失った者又は入居収入基準の見直しに伴い公営住宅収入超過者となった者に限る。)

1戸あたりの助成期間の限度は管理開始から20年(ただし、地方公共団体の判断で、管理開始から40年以内の期間まで延長可能。)